ヨネクラ・マサカネ。俳優、演出家、画家、絵本作家。
1934年7月10日、福岡県生まれ。57年、西南学院大学在学中に演劇を志して中退し、劇団民藝の演劇研究所に入所。59年に劇団青年芸術劇場を結成し、一時、同劇団を離れるが、64年に再入団。同劇団の創立者の1人、俳優兼演出家の宇野重吉に師事し、宇野の演出作品に数多く出演し、共演も果たした。66年に、「ゴドーを待ちながら」などの演技で第1回紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞。74年以降、演出も手がけるようになり、2000年に退団するまで中心的な俳優、演出家として活躍。07年に、劇団海流座を立ち上げた。商業演劇にも出演し、森光子主演の「放浪記」では、1986年以降、20年以上にわたって連続出演した。テレビドラマでは、NHK大河ドラマ「勝海舟」(74年)、「花神」(77年)など、映画では、「男はつらいよ」シリーズなど多数に出演している。また、絵本作家としての才能も発揮し、76年に「魔法おしえます」(偕成社)、77年には「多毛留」(偕成社)と2年連続でイタリアのボローニャ国際児童図書展のグラフィック大賞を受賞した。第二次世界大戦中に栄養失調で弟を失った体験から生まれた絵本「おとなになれなかった弟たちに…」(83年、偕成社)は、87年から中学の国語教科書に採用されている。2014年8月26日、腹部大動脈瘤(だいどうみゃくりゅう)破裂で死去。80歳。