ナツキ・シズコ。作家。
1938年12月21日、東京都生まれ。本名、出光静子。60年、慶應義塾大学文学部在学中に「すれ違った死」で第6回江戸川乱歩賞に応募。最終候補になったのをきっかけに、NHKの推理ドラマ「私だけが知っている」の脚本を担当する。69年、「天使が消えていく」で第15回同賞候補となり、70年に同作で作家デビュー。本格的に執筆活動を開始する。73年、「蒸発」(光文社)で第26回日本推理作家協会賞を受賞する。「第三の女」(78年、集英社)はフランス語に訳され、89年に第54回フランス犯罪小説大賞を受賞。2007年には、女性として初めて第10回日本ミステリー文学大賞に輝く。映像作品の原作も数多く、「弁護士朝吹里矢子」シリーズや「検事霞夕子」シリーズはテレビドラマ化、「Wの悲劇」(1982年、光文社)は薬師丸ひろ子主演で映画化された。その他の作品に、「白愁のとき」(92年、角川書店)、「量刑」(2001年、光文社)、闘病体験記「椅子がこわい」(1997年、文藝春秋)などがある。社会派ミステリー作家として、数多くの読者を得る。また、作家活動の傍ら、2008~14年に日本司法支援センター(法テラス)顧問を務めた。囲碁が趣味で、自らの眼精疲労の経験を生かした目に優しい「グリーン碁石」を考案した。16年3月19日、心不全のため死去。77歳。