ナカボウ・コウヘイ。弁護士。
1929年8月2日、京都市生まれ。京都大学卒業後、57年に大阪弁護士会に弁護士登録。73年に森永ヒ素ミルク中毒事件の被害者側弁護団長に就任し、被害者の救済に取り組む。84年、大阪弁護士会会長に就任。翌85年には、高齢者から多額の資金を集めて破産した豊田商事の破産管財人に選出され、被害者への配当確保に尽力した。90年4月から2年間、日本弁護士連合会(日弁連)会長を務める。93年には、香川県豊島(てしま)の産業廃棄物不法投棄問題で住民側弁護団長に就き、公害調停に取り組む。市民派弁護士として知られ、その手腕から「鬼の中坊」「平成の鬼平」の異名を取った。96年に旧住宅金融専門会社(住専)の債権回収を行う住宅金融債権管理機構(住管機構)の社長に起用され、99年に同社が整理回収機構(RCC)に改組された後も初代社長としてらつ腕を振るった。また、同年には司法制度改革審議会委員にも就任し、裁判員制度導入に向けた議論などを進めた。しかし、2000年に不適切な債権回収を行ったとして、02年10月に詐欺容疑で刑事告発され、東京地検の捜査を受ける。その責任を取り、03年10月に弁護士廃業を表明。起訴猶予となったが、05年11月に廃業。その後、07年3月に弁護士再登録を申請したが、同年7月に取り下げた。13年5月3日、心不全のため死去。83歳。