イチノジョウ・タカシ。大相撲力士。本名アルタンホヤグ・イチンノロブ。
1993年4月7日、モンゴルのアルハンガイ県生まれ。遊牧生活を営む家庭で育つ。モンゴルで開かれた相撲大会で優勝し、地元高校を中退して2010年3月に高校相撲の名門校である鳥取城北高校に相撲留学。高校卒業後は母校のコーチなどを務めながら練習を続け、13年9月の全日本実業団選手権個人で優勝して、湊部屋にスカウトされた。翌14年の1月場所で幕下15枚目格付け出しとして初土俵を踏むと、同年5月場所に十両、9月場所に前頭となるスピード出世を見せる。新入幕となった9月場所では、大関の稀勢の里、豪栄道を立て続けに破り、横綱の鶴竜にも土をつける快進撃を見せて一躍注目を集めた。同場所では、1914年5月場所以来、100年ぶりとなる新入幕での優勝は果たせなかったものの、13勝2敗で場所を終了。横綱を倒した力士などに贈られる殊勲賞と、新入幕で2ケタ白星を挙げた力士などに贈られる敢闘賞という、三賞のうち二つを受賞した。初土俵から5場所目での三賞獲得は、雅山と並んで史上最速となった。