ヒサカ・マサシ。小説家。
1956年5月4日、新潟県生まれ。本名、中川雅志。早稲田大学商学部在学中から歴史文学に親しみ、同大卒業後、新人物往来社に入社。雑誌「歴史読本」の編集に携わる。88年に西行を主人公とした歴史伝奇小説「花月秘拳行」(講談社)で作家デビュー。90年に会社を退職して専業作家になり、以後、伝奇小説や歴史小説を多数執筆した。99年には、豊臣秀吉に仕えた医師の施薬院全宗をテーマとした「全宗」(小学館)を発表し、吉川英治文学新人賞の候補作になる。上杉謙信、景勝の家臣である直江兼続を主人公とした「天地人」(2006年、日本放送出版協会)は、中山義秀文学賞を受賞し、09年NHK大河ドラマの原作になった。他の著作に、「覇商の門」(01年、祥伝社)、「黒衣の宰相」(01年、幻冬舎)、「真田三代」(11年、NHK出版)などがある。14年10月に体調を崩して入院し、治療を受けていたが、15年2月26日に急性膵炎(すいえん)のため死去。58歳。