チヨノフジ・ミツグ。元大相撲力士。
1955年6月1日、北海道生まれ。本名、秋元貢。同郷である元横綱千代の山の九重親方(当時)にスカウトされ、15歳で相撲界入り。70年9月場所(秋場所)で初土俵を踏む。74年11月場所(九州場所)で新十両に昇進、75年9月場所で新入幕する。関脇だった81年1月場所(初場所)に、横綱の北の湖を優勝決定戦で破り初優勝。翌3月場所(春場所)で大関に昇進する。同年7月場所(名古屋場所)で2回目の優勝を飾り、場所後に第58代横綱に昇進。精悍な風貌と強じんな肉体で小兵ながらスピード感あふれる相撲を取り、「ウルフ」の愛称で人気を博す。得意技は“黄金の左”と言われた左前ミツ。88年には、当時歴代2位となる53連勝を記録。89年には、角界初の国民栄誉賞を受賞した。90年3月場所には、前人未到の1000勝を達成した。91年5月場所(夏場所)中に引退。通算成績は、1045勝437敗159休、優勝31回。相撲協会から贈られた一代年寄は辞退。引退後は年寄陣幕として後進の指導に当たり、92年に年寄九重を襲名し、九重部屋を継承。九重親方として元大関千代大海(現佐ノ山親方)らを育てた。2008年に日本相撲協会の理事となり、協会ナンバー2とされる事業部長などを歴任。60歳の誕生日前日の15年5月31日には、赤い綱を締めて還暦土俵入りを披露した。16年7月31日、すい臓がんのため死去。61歳。