オオスミ・ヨシノリ。理学博士。
1945年2月9日、福岡県生まれ。県立福岡高校を卒業後、東京大学教養学部基礎科学科に進学し、67年卒業。同年、同大学大学院理学系研究科に進み、72年、同研究科相関理化学専門課程博士課程を単位取得後退学。74年、理学博士号を取得。同年、アメリカのロックフェラー大学にあるジェラルド・エーデルマン博士の研究室に留学し、酵母を用いて細胞内部の働きを調べる研究を始める。その後、東京大学理学部植物学教室助手、講師を経て、88年に東京大学教養学部助教授となる。同年、酵母を使った実験で、細胞内にある液胞という小器官にたんぱく質が取り込まれて分解されるオートファジーという現象を顕微鏡で観察。93年にはオートファジーを制御する遺伝子を特定し、発表した。96年、基礎生物学研究所教授。2009年に東京工業大学統合研究院先進研究機構特任教授、14年に同大学栄誉教授、16年に同大学科学技術創成研究院細胞制御工学研究ユニット特任教授。06年日本学士院賞、09年朝日賞、12年京都賞、15年ガードナー国際賞、国際生物学賞、慶應医学賞など受賞歴は数多い。15年、文化功労者。16年10月3日、オートファジーの仕組みの解明が評価され、同年のノーベル医学・生理学賞を受賞した。日本人のノーベル賞受賞はアメリカ国籍の2人を含めて、25人となった。医学・生理学賞の受賞は4人目、ノーベル賞単独受賞は3人目となる。