ツツミ・セイジ。実業家、詩人、小説家。
1927年3月30日、東京生まれ。西武グループ創業者で衆議院議長も務めた堤康次郎の次男。元西武鉄道会長の堤義明は異母弟。東京大学卒業後は父の秘書を務め、54年に西武百貨店(現そごう・西武/本社・東京)に入社。取締役店長を経て、66年に社長に就任。食料品、衣料品、住居用品などの小売りチェーン、西友(本社・東京)を創業したほか、専門店パルコ(本部・東京)、無印良品を扱う良品計画(本社・東京)、雑貨店ロフト(本部・東京)などを設立し、積極的に新規事業を展開。これらの企業を束ねる西武流通グループ(後のセゾングループ)の代表となり、さらにホテル事業、リゾート開発など幅広い事業を手掛けた。87年には、美術館や劇場から発展したセゾン文化財団を設立するなど、企業の社会貢献活動も進めた。しかし、90年代のバブル崩壊後、拡大路線が崩壊。91年、セゾングループ代表を辞した。辻井喬のペンネームで詩人、小説家としても活躍。61年に詩集「異邦人」で第2回室生犀星詩人賞、92年に「群青、わが黙示」で第23回高見順賞、94年に小説「虹の岬」で第30回谷崎潤一郎賞、2004年に伝記的小説「父の肖像」で第57回野間文芸賞など多数の賞を受賞した。07年に日本芸術院会員。12年に文化功労者に選ばれた。13年11月25日、肝不全のため死去。86歳。