1922年3月8日、鳥取県生まれ。本名、武良茂。第二次世界大戦中、43年に徴兵により南方戦線に従軍し、ニューブリテン島(現・パプアニューギニア領)のラバウル戦線で爆撃により左腕を失う。46年に復員し、紙芝居作家を経て、58年に貸本漫画「ロケットマン」で漫画家デビュー。その後、漫画雑誌「月刊漫画ガロ」を中心に作品を発表し、65年「別冊少年マガジン」(講談社)に発表した「テレビくん」で、第6回講談社児童まんが賞を受賞。同年、「週刊少年マガジン」で「墓場の鬼太郎」の連載をスタートし、のちに「ゲゲゲの鬼太郎」と改題。同作は数度にわたってテレビアニメ化されて大ヒットし、代表作となる。ほかにも、幼少時に聞いた妖怪やお化けの話をもとにした「悪魔くん」「河童の三平」などで人気を博す。また、自らの戦争体験に基づいた「総員玉砕せよ!」(73年、講談社)などの作品を描き、戦争の愚かさも問いかけ続けた。同作は、2009年にアングレーム国際漫画フェスティバル遺産賞、12年にウィル・アイズナー賞最優秀アジア作品賞を受賞した。その他の作品に、子ども時代を描いた自伝的作品「のんのんばあとオレ」(1977年、筑摩書房)などがある。91年、紫綬褒章受章。93年、故郷の鳥取県境港市に、鬼太郎などのブロンズ像が並ぶ「水木しげるロード」がオープンし、同市の観光スポットとなった。2003年には、同市に「水木しげる記念館」が開館。同年、第7回手塚治虫文化賞特別賞受賞、旭日小綬章受章。10年には、妻の武良布枝の自伝「ゲゲゲの女房」(08年、実業之日本社)が、NHK朝の連続テレビ小説でドラマ化されて話題を呼んだ。10年に文化功労者に選ばれる。15年11月30日、多臓器不全のため死去。93歳。