サエキ・ショウイチ。文芸評論家、文学者。
1922年4月26日生まれ。富山県出身。43年に東京帝国大学(現・東京大学)英文科を卒業後、海軍経理学校教官を務める。終戦後、富山大学助教授を経て、50年にアメリカのウィスコンシン大学大学院に留学。53年に東京都立大学(現・首都大学東京)助教授となり、アメリカ文学を研究する。62年にアメリカのミシガン大学で、67年にカナダのトロント大学でそれぞれ1年間客員教授を務め、日本文学を講義した。68年から83年まで東京大学教授を務め、83~93年に中央大学教授。アーネスト・ヘミングウェーやウィリアム・フォークナー、フラナリー・オコナーなどの研究、翻訳を手がけたほか、日本文学の評論や日米の比較文化研究にも取り組み、「日本を考える」(66年、新潮社)、「日本人の自伝」(74年、講談社)などの著書を発表した。80年に「物語芸術論」(79年、講談社)で第31回読売文学賞、86年に「自伝の世紀」(85年、講談社)で芸術選奨文部大臣賞★を受賞。88年に日本芸術院会員となり、94年に勲三等旭日章を受章。三島由紀夫研究の第一人者としても知られ、「三島由紀夫全集」(74~76年、新潮社)の編集を担当。95年に東京でオープンした世田谷文学館の初代館長や、99年に山梨県に開館した三島由紀夫文学館の初代館長も務めた。2016年1月1日、肺炎のため死去。93歳。