トガワ・マサコ。作家、シャンソン歌手。
1931年3月23日、東京都生まれ。本名、内田昌子。伊藤忠商事で英文タイピストとして勤務したのち、57年に東京・銀座のシャンソン喫茶「銀巴里(ぎんぱり)」で歌手デビュー。歌手の傍ら、作家としても活動し、62年に「大いなる幻影」(講談社)で第8回江戸川乱歩賞を受賞する。64年には、「猟人日記」(63年、講談社)が第50回直木賞候補となる。同作は映画化され自らも出演した。67~2010年には、東京・渋谷でシャンソンバー「青い部屋」を経営。三島由紀夫、川端康成らの文人に愛された。1975年、シングル盤レコード「リリー・マルレーヌ」を発売。63年から毎年夏に東京などで行われているシャンソンの祭典「パリ祭」に参加しており、2016年も出演を予定していた。近年は長男のNEROとともにステージに立つなど、16年3月まで歌手としてライブ活動を続けた。また、日本テレビ系「11PM」、フジテレビ系「ライオンのいただきます」など、テレビ番組のコメンテーターとしても活躍した。その他の主な著書に、「蜃気楼の帯」(1967年、講談社)、「火の接吻」(84年、講談社)などがある。2016年4月26日、胃がんのため死去。85歳。