トマ・ピケティ。経済学者。
1971年5月7日、フランスのクリシー生まれ。パリの高等師範学校(ENS)で学んだ後、フランス社会科学高等研究院(EHESS)、およびイギリスのロンドン経済学校(LSE)で経済学博士号を取得。その際に提出した博士論文は、フランス経済学会の年間最優秀論文賞に選ばれた。以後、所得と富の配分や経済格差などを研究し、アメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)やEHESSなどでの教職を経て、2007年にパリ経済学校教授に就任。また、同年のフランス大統領選挙では、社会党のセゴレーヌ・ロワイヤル候補の最高経済顧問を務めた。13年には、資本主義社会における経済的な不平等の拡大を歴史的に分析した著書「21世紀の資本」をフランスで出版。同書では、欧米諸国や日本の過去200年以上の税務統計など、膨大なデータに基づいて、資本主義社会が持つ格差拡大の傾向を示し、現代も拡大傾向にあると指摘。格差是正のためには富裕層に対する国際的累進課税の仕組みが必要と論じた。14年4月に同書の英語版が出版されると、アメリカで賛否両論の大きな反響を呼び、同年12月時点でのアメリカ国内の発行部数が50万部以上に達するなど、経済学書としては異例のベストセラーになった。同月には邦訳版(みすず書房刊)が発売され、日本でも注目を集めている。