スガワラ・ブンタ。俳優。
1933年8月16日、宮城県生まれ。早稲田大学中退後、劇団員、ファッションモデルなどを経て、58年に新東宝に入社。同年、映画「白線秘密地帯」で本格的な俳優デビューを果たす。新東宝倒産後は、松竹を経て67年に東映に入社し、69年の「現代やくざ　与太者の掟」で映画初主演。73年に主演した深作欣二監督作「仁義なき戦い」では、戦後の混乱期を生きる広島やくざ「広能昌三」をリアルに演じ、東映を代表する人気俳優になる。その後、同作はシリーズ化され、いずれも大ヒット作になった。また、75年に始まった「トラック野郎」シリーズでは、荒っぽいが情に厚いトラック運転手の主人公をコミカルに演じ、こちらも人気シリーズに育った。以後、「ダイナマイトどんどん」（78年）、「青春の門」（81年）など、数多くの作品に出演。79年の「太陽を盗んだ男」では、第3回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞した。NHK大河ドラマでも、「獅子の時代」（80年）で主演を務めたほか、「徳川慶喜」「利家とまつ」などにも出演し、重厚な演技を見せた。また、2001年公開の宮崎駿監督作「千と千尋の神隠し」など、アニメ作品への声の出演もしている。07年、膀胱がんを発症し、その後回復。09年に山梨県北杜市に農業生産法人を設立したほか、12年11月には俳優業からの引退を表明して、農山村再生を掲げる国民活動グループ「いのちの党」を結成。また、原発や戦争に反対する立場で講演をしたり、14年11月の沖縄知事選では基地反対派の翁長雄志候補の応援スピーチをしたりするなど、社会活動にも積極的に取り組んだ。14年11月28日、転移性肝がんによる肝不全のため死去。81歳。