ムロフシ・コウジ。ハンマー投げ選手。
1974年10月8日、静岡県生まれ。フルネームは室伏アレクサンダー広治。父は「アジアの鉄人」と呼ばれた元ハンマー投げ選手の室伏重信、母はルーマニアの元やり投げ選手のセラフィナ・モリッツ。妹の室伏由佳もハンマー投げ、円盤投げの選手。父の影響で幼少時からハンマー投げに親しみ、千葉県の私立成田高校進学後に本格的に競技を始める。91~92年にインターハイを連覇。93年に中京大学に進学し、95年に日本選手権で初優勝を達成する。97年、ミズノ(本社・大阪市)に入社し、同時に国内留学制度を利用して中京大学大学院に入学。98年4月の群馬リレーカーニバルで76メートル65センチを記録し、父が保持していた日本記録を更新した。2000年のシドニー・オリンピックでは9位。03年のプラハ国際陸上でアジア記録となる84メートル86センチをマークした。04年のアテネ・オリンピックでは当初1位だった選手がドーピング疑惑で失格になったため、繰り上げで金メダルを獲得。日本人の投てき選手としては史上初の金メダルだった。08年の北京オリンピックは5位。12年のロンドン・オリンピックでは銅メダルを獲得した。世界陸上選手権では、01年に銀メダル、03年に銅メダル、11年に金メダルを獲得しており、日本選手として初めて、オリンピックと世界陸上の両方で金メダルに輝いている。日本選手権では1995年から2014年まで史上最多の20連覇を達成していたが、15年は欠場。リオデジャネイロ・オリンピック代表を目指して出場した16年6月の日本選手権では12位に終わり、競技終了後に現役引退の意向を表明した。競技以外の活動にも積極的で、08年には中京大学大学院で体育学の博士号を取得。10年に同大学大学院客員教授、11年に同大学准教授に就任。14年には東京医科歯科大学の教授に就任したほか、20年の東京オリンピック・パラリンピック組織委員会理事兼スポーツディレクターに任命された。