アワジ・ケイコ。女優。
1933年7月17日、東京生まれ。本名、井田綾子。高校中退後、松竹歌劇団(SKD)の養成学校に入学。49年に黒澤明監督の映画「野良犬」でデビュー。55年、主演した「この世の花」が人気となり、完結まで全10部作のシリーズとなった。57年、「太夫(こったい)さんより 女体は哀しく」の遊女役などが高い評価を受け、ブルーリボン賞助演女優賞を受賞。60年代には、森繁久弥主演の東宝のコメディー映画「駅前シリーズ」や「社長シリーズ」などにレギュラー出演した。また、テレビドラマにも活躍の舞台を広げ、61年に主演したNHKの「若い季節」は大ヒットし、映画化もされた。私生活では53年にフィリピン人歌手と結婚したが、65年に離婚。翌年、歌舞伎界のスターだった中村錦之助(後に萬屋錦之介に改名)と結婚し、芸能界を引退。しかし、萬屋が筋無力症で倒れ、献身的に支えているさなかに萬屋の不倫が発覚し、87年に離婚。同年、山田洋次監督の「男はつらいよ・知床慕情」で映画界に復帰した。その後、ワイドショーの司会やドラマなどで活躍。近年はバラエティー番組にも出演し、軽妙な毒舌トークで親しまれた。また、ゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズ好きとしても有名。2014年1月11日、食道がんのため死去。80歳。