アサクラ・セツ。舞台美術家、画家。
1922年、東京生まれ。本名は、冨沢摂。彫刻家の朝倉文夫の長女。妹は彫刻家の朝倉響子。伊東深水に師事して日本画を学び、41年に新文展に初入選する。53年に、「働く人」で第3回上村松園賞を受賞。絵画だけではなく、小説や絵本の挿絵なども手掛け、72年に絵本「日本の名作・スイッチョねこ」で講談社出版文化賞絵本賞を受賞。同年に渡米して舞台美術を学ぶ。79年に、蜷川幸雄演出の「近松心中物語」の舞台美術を担当したのをはじめ、86年にスーパー歌舞伎「ヤマトタケル」などを手掛け、大胆で斬新な発想と繊細さが融合した舞台美術で注目を浴びる。87年に紫綬褒章を受章。91年に「薔薇の花束の秘密」「蜘蛛女のキス」の装置で第26回紀伊國屋演劇賞、95年には「泣かないで」、「オレアナ」などで読売演劇大賞最優秀スタッフ賞を受賞。2006年に文化功労者に選ばれた。14年3月27日、くも膜下出血で死去。91歳。