オサダ・ヒロシ。詩人。
1939年11月10日、福島県生まれ。早稲田大学文学部在学中に詩誌「鳥」を創刊。その後、同人誌の「地球」などで作品を発表するとともに、雑誌「現代詩」「詩と批評」の編集にも参加した。65年、詩集「われら新鮮な旅人」(思潮社)でデビュー。60年代の抒情詩を代表する詩人の1人となる。71~72年、アメリカのアイオワ州立大学国際創作プログラム客員詩人。平易な言葉で語りかけた散文詩集「深呼吸の必要」(84年、晶文社)はロングセラーになった。他の詩集に、桑原武夫学芸賞を受賞した「記憶のつくり方」(98年、晶文社)や、三好達治賞受賞作の「世界はうつくしいと」(2009年、みすず書房)、毎日芸術賞受賞作の「奇跡―ミラクル―」(13年、みすず書房)、「長田弘全詩集」(15年、みすず書房)などがある。エッセー、翻訳、児童文学などの分野でも活躍し、1971年には物語エッセー「ねこに未来はない」(晶文社)を刊行。さらにエッセー集「私の二十世紀書店」(82年、中央公論社)で毎日出版文化賞、絵本「森の絵本」(99年、講談社)で講談社出版文化賞を受賞。評論活動でも知られ、95年から17年間、NHKの解説番組「視点・論点」に出演した。2015年5月3日、胆管がんのため死去。75歳。