ウエザ・マリ。作家。
1949年10月20日、北海道生まれ。本名、伊藤香。高校時代から創作を始め、函館大谷女子短期大学卒業後、会社勤めを経て、主婦業の傍ら本格的に作家を目指す。95年、「幻の声」で第75回オール読物新人賞を受賞。97年、同作を含む「幻の声 髪結い伊三次捕物余話」(文藝春秋)で作家デビュー。「髪結い伊三次捕物余話」はシリーズとして書き続けられ、代表作となる。2000年に「深川恋物語」(1999年、集英社)で第21回吉川英治文学新人賞、2001年に「余寒の雪」(00年、実業之日本社)で第7回中山義秀文学賞を受賞。「幻の声」などで6度直木賞候補となるが、受賞は逃した。その他の作品に、「雷桜」(00年、角川書店)、「神田堀八つ下がり 河岸の夕映え」(03年、徳間書店)、「泣きの銀次」シリーズ(講談社)などがある。江戸庶民の暮らしを描いた情感あふれる時代小説で人気を博した。14年に乳がんであることを公表し、15年1月に「文藝春秋」同年2月号に手記「私の乳癌リポート」を発表。同年11月7日、乳がんのため死去。66歳。