スギモト・アキコ。作家。
1953年5月28日、福岡県生まれ。79年、江戸時代の儒者、寺門静軒を描いた「男の軌跡」で第4回歴史文学賞佳作に入選し、翌年、同作で作家デビューする。以後、江戸時代を中心に、人間の内面を描いた時代小説で人気を博す。89年、幕末から明治時代に活躍した浮世絵師の小林清親を主人公にした「東京新大橋雨中図」(88年、新人物往来社)により、九州在住の女性作家としては初めて第100回直木賞を受賞した。2002年には、「おすず―信太郎人情始末帖」(01年、文藝春秋)で、第8回中山義秀文学賞を受賞。「信太郎人情始末帖」シリーズは、08年の「銀河祭りのふたり」まで7作続いた。15年1月、最後の作品となる「起き姫 口入れ屋のおんな」(文藝春秋)を刊行。その他の作品に、「写楽まぼろし」(1983年、新人物往来社)、「名主の裔(すえ)」(89年、文藝春秋)、「間諜」(94年、中央公論社)、「残映」(95年、文藝春秋)などがある。2015年12月4日、乳がんのため死去。62歳。