サカモト・ヨシカズ。政治学者。
1927年9月16日、アメリカのロサンゼルス生まれ。48年に東京大学法学部に入学し、政治学者の丸山眞男に師事する。54年に同大助教授。55年からシカゴ大学、プリンストン大学に留学し、国際政治学者のハンス・モーゲンソウ(1904~80)らのもとで学ぶ。57年に帰国。59年、雑誌「世界」(岩波書店刊)で、日本の中立化と国連に設けた警察軍を日本に駐留させることを提唱した論文「中立日本の防衛構想」を発表し、注目を集める。以後、反核兵器、平和主義の立場から発言を続け、戦後平和主義の理論的支柱と見られるようになった。64年、東京大学法学部教授に就任。66年には、論文「日本外交への提言」で第1回吉野作造賞を受賞した。また、64年にオランダで設立された国際平和研究学会(IPRA)の事務局長を、79~83年、ヨーロッパ出身者以外では初めて務めた。88年に東京大学を定年退官し、名誉教授。その後は、明治学院大学教授に就任。著書に「平和――その現実と認識」(76年、毎日新聞社刊)、「軍縮の政治学」(82年)、「相対化の時代」(97年、ともに岩波書店刊)などがある。2014年10月2日、心不全により死去。87歳。