カトウ・ハルコ。女優。
1922年11月24日、東京生まれ。37年に松竹少女歌劇団に入団。39年、東宝映画に入社し、御舟京子の芸名で出演した「花つみ日記」で映画デビュー。41年、加藤道夫、芥川比呂志らの新演劇研究会に参加し、「十一月の夜」で初舞台を踏む。第二次世界大戦後の49年に文学座に合流し、舞台「なよたけ」の主演で新劇女優としての評価を高める。63年には、高橋昌也、芥川、福田恒存らと劇団「雲」の結成に参加。「ヘンリー四世」などの舞台に出演する。75年に同劇団を退団し、フリーとしてテレビドラマを中心に活躍。TBS系「七人の孫」(64年)で演じた上品で穏やかな母親役が評判となり、以後、昭和のお母さん役として人気を集める。TBS系「寺内貫太郎一家」(74年)、NHK「阿修羅のごとく」(79~80年)など、向田邦子脚本のテレビドラマに多数出演する。一方、舞台出演も数多く、99年の「三婆」で第24回菊田一夫演劇賞、2001年の「こんにちは、母さん」で第36回紀伊國屋演劇賞などを受賞。映画では、「花いちもんめ」(1985年)や「マルサの女2」(88年)、「おとうと」(2010年)などに出演。宮崎駿監督のアニメ映画「魔女の宅急便」(1989年)、「ハウルの動く城」(2004年)では、声優を務めた。02年、勲四等宝冠章を受章。15年11月2日、心不全のため死去。92歳。