ヨシダ・マサオ。元東京電力福島第一原子力発電所所長。
1955年2月17日、大阪府生まれ。東京工業大学工学部を卒業後、同大大学院で原子核工学を専攻し、79年に東京電力に入社。その後は一貫して原子力の技術畑を歩み、2010年6月に同所長に就任した。11年3月11日の東日本大震災に伴う原発事故では、発生直後から所内の免震重要棟で原子炉冷却などの作業を指示。翌12日に同社本店が原子炉を冷却するための海水注入作業を中断するよう指示した際には、部下に命じて独断で注入を継続させた。一方で11年12月に政府が公表した事故調査報告書(中間報告)では、同氏が本店の原子力設備管理部長だった08年当時に大規模な津波対策を怠ったと指摘された。11年11月に健康診断で食道がんが見つかり、治療のため翌12月に所長を退任。12年7月には脳出血で緊急手術を受け、以降は自宅療養を続けていた。13年7月9日、食道がんのため死去。58歳。