ネルソン・マンデラ。政治家、黒人解放運動指導者。
1918年7月18日、南アフリカのトランスカイ(現・東ケープ州)生まれ。主要民族の一つであるコーサ人の首長の家系に生まれる。大学在学中にアフリカ民族会議(ANC)に参加し、青年同盟を創立。反人種主義の立場から、有色人種の差別隔離政策であるアパルトヘイトの撤廃運動に身を投じた。52年、同会議の副議長に就任。また、同年に非白人として初めての法律相談所を開設した。61年、ANCに軍事組織「民族の槍」を創設し、武力闘争を開始。62年に逮捕され、64年に反逆罪などで終身刑を宣告されて、ケープタウン沖のロベン島監獄に収監された。以後27年間、重労働を課された獄中生活を送りながらも、ANCの合法化や政治犯の釈放を訴え続け、世界中から黒人解放運動の象徴として注目される。服役中の86年から白人政権と交渉を続け、90年2月に黒人融和政策を進めるデクラーク大統領によって釈放。翌年、アパルトヘイト終結が宣言され、ANC議長に就任した。93年にデクラーク大統領とともにノーベル平和賞を受賞。94年4月、初の全人種参加の制憲議会選挙でANCが第一党となり、同年5月に黒人初の大統領に就任した。人種間の融和と民主化を進め、96年には新憲法を制定。99年6月に大統領を退任した。2013年12月5日、死去。95歳。