ジャネット・イエレン。経済学者、経営学者、FRB(連邦準備制度理事会)議長。
1946年8月13日、アメリカ、ニューヨーク市生まれ。ブラウン大学卒業後、エール大学で経済学の博士号を取得。78年に、経済学者ジョージ・アカロフ(2001年ノーベル経済学賞受賞)と結婚。ハーバード大学助教授、カリフォルニア大学バークレー校教授を経て、94年にFRB理事就任。97年にビル・クリントン政権下で大統領経済諮問委員会委員長となる。その後、04年に、サンフランシスコ地区連邦準備銀行総裁。10年には、FRB副議長に就任した。14年1月、オバマ大統領によるFRB議長への指名が上院で承認され、2月に、ベン・バーナンキの後任としてFRBの第15代議長に就任。FRB史上初の女性議長となった。金融政策に関しては、失業率を重視し、インフレ抑制より経済成長を重視するハト派として知られる。副議長時代はバーナンキとともに、2%のインフレ目標をFRBに公式に採用させた。これを受けてFRBは08年のリーマン・ショックなどによる金融危機後、景気回復のために米国債を買い上げ、大量の資金を金融市場に流す、量的金融緩和(QE)という異例の金融政策を進めてきた。今後は世界経済の動向に注意しながら、緩和を縮小させ、金融政策を平時の状態に戻していけるかどうかが課題となる。