カニエ・ケイゾウ。俳優。
1944年10月28日、東京都生まれ。女優の栗田桃子は長女、俳優の蟹江一平は長男。64年に劇団青俳演劇研究所に入り、翌年、「あの日たち」で初舞台を踏む。アングラ演劇の役者として活躍しながら、66年にTBS系「おかあさん」でドラマデビュー、67年に、「あゝ同期のさくら」で映画デビューした。68年に、演出家蜷川幸雄らとともに「現代人劇場」、72年に「桜社」の旗揚げに参加。にっかつロマンポルノでは、強姦魔やヒモ役を熱演。テレビドラマにも次々に出演し、鋭い目つきや風貌から悪役をこなすことが多かった。80年に、日本テレビ系の人気ドラマ「熱中時代」先生編の第2シリーズで、主役の水谷豊と仲の良い善良な警官役を演じたのが転機になり、悪役だけではなく、幅広い役をこなす個性派俳優となった。出演した映画は「十九歳の地図」(79年)、「精霊流し」(2002年)、テレビドラマでは「鬼平犯科帳」(1989年)、NHK大河ドラマ「龍馬伝」(2010年)など多数で、名脇役として知られた。06年に、「MAZE(マゼ)」で映画初主演。13年には、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」で主人公アキの祖父役を熱演し、お茶の間にも親しまれた。また、渋い声が買われ、02年からテレビ東京系の経済ドキュメンタリー「ガイアの夜明け」のナレーションを担当した。14年3月30日、胃がんのため死去。69歳。