ナカムラ・シュウジ。物理学者。
1954年5月22日、愛媛県生まれ。77年、徳島大学工学部電子工学科卒業。79年に同大大学院工学研究科修士課程を修了後、日亜化学工業(本社・徳島県阿南市)に研究員として入社。同社に勤務していた89年、まだ実用化されていなかった青色発光ダイオード(青色LED)の研究に着手し、独自に開発した装置を用いて、93年に窒化ガリウムによる青色LEDの量産化技術の開発に成功する。また、95年にはブルーレイディスクの読み取りや記録などに必要な青色半導体レーザーも開発した。99年、日亜化学工業を退職し、2000年2月にアメリカのカリフォルニア大学サンタバーバラ校教授に就任。01年には、青色LEDの製造装置の特許権や研究成果の対価をめぐって、同社を相手どって訴訟を起こす。04年1月の東京地裁の判決で、同社に約200億円の支払いが命じられたことが話題になった。その後、同社が控訴したため、翌05年1月、約8億4000万円の支払いで和解が成立した。1996年に仁科記念賞、2002年にベンジャミン・フランクリン・メダルを受賞。14年10月には、青色LEDの基礎研究で大きな業績があった赤崎勇名城大学終身教授、天野浩名古屋大学教授とともに、ノーベル物理学賞を受賞した。