ヤマギシ・カズオ。ラーメン店店主。
1934年4月28日、長野県生まれ。中学卒業後の50年に上京して、旋盤工の職に就く。翌51年、親しかったいとこの誘いで、東京都杉並区のラーメン店で修業を始めた。同年、独立したいとこが東京都中野区に開いた「大勝軒」に移り、54年末に店長を任される。翌55年、まかないからヒントを得て、同店の新メニューとして、麺(めん)とスープを別々に盛りつける「特製もりそば」を考案。これがつけ麺の元祖になったと言われている。61年6月、独立して東京都豊島区に「東池袋 大勝軒」を開業。当初から行列の絶えない人気店になった。後進の育成にも熱心で100人以上の弟子を育て、日本各地にのれん分けした店がある。2007年3月に再開発に伴う区画整理のため「東池袋 大勝軒」が閉店することになった際には、約400人が行列をつくった。この様子がメディアで大きく報じられ、全国的なつけ麺ブームのきっかけになった。「東池袋 大勝軒」は08年に弟子が引き継ぎ、旧店舗付近で再開した。ラーメン業界に大きな影響を与えて「ラーメンの神様」と呼ばれ、13年には半生を追った映画「ラーメンより大切なもの」も公開された。15年4月1日、心不全のため死去。80歳。