ピエール・ブーレーズ。作曲家、指揮者。
1925年3月26日、フランスのモンブリゾン生まれ。パリ国立音楽院で作曲家のオリヴィエ・メシアンらに学ぶ。46年、ルノー・バロー劇団の音楽監督になり、54年にドメーヌ・ミュジカルを設立。46年に発表した楽曲「フルートとピアノのためのソナティナ」や55年の「ル・マルトー・サン・メートル(主のない槌)」などで作曲家として注目を集めた。50年代後半からは指揮者としても活躍。67年にアメリカのクリーブランド管弦楽団の首席客演指揮者となり、70年代にはイギリスのBBC交響楽団首席指揮者、アメリカのニューヨーク・フィルハーモニック音楽監督を務め、冷静で精緻(せいち)な指揮で数々の名演奏を残した。その後、パリでIRCAM(フランス国立音響音楽研究所)を創設し、75年に所長に就任。76年、同研究所内に現代音楽専門の「アンサンブル・アンテルコンタンポラン」を創設。コンピューターを駆使した音響などを研究開発した。76~80年、バイロイト音楽祭でワーグナーの楽劇を指揮、92年以降は世界の主要なオーケストラを指揮して多くの演奏活動、レコード・CD録音活動を展開し世界的名声を獲得した。また評論や研究の分野でも現代音楽の発展に寄与した。2016年1月5日、居住するドイツで死去。90歳。