マツタニ・ミヨコ。児童文学作家。
1926年2月15日、東京生まれ。本名、松谷美代子。17歳のときに童話を書き始め、46年に児童文学作家の坪田譲治に師事。51年、デビュー作「貝になった子供」(あかね書房)で第1回日本児童文学者協会新人賞を受賞する。60年、信州に伝わる伝説をもとに執筆した「龍の子太郎」(講談社)を出版。同作は、61年に第8回産経児童出版文化賞、62年に国際アンデルセン賞優良賞を受賞した。64年には、自らの子どもをモデルに少女の成長を描いた「ちいさいモモちゃん」(講談社)を出版し、第2回野間児童文芸賞を受賞。「モモちゃん」シリーズは、全6巻で発行部数は620万部を超える。その他、67年から続く赤ちゃん絵本「いないいないばあ」シリーズ(童心社)、戦争の悲惨さや愚かさを題材とした「ふたりのイーダ」(69年、講談社)など、さまざまなジャンルの作品を手がけ、数多くの読者に親しまれてきた。また、民話研究室を主宰し、全国各地の民話や民間伝承の採録にも取り組んだ。その活動の成果は、「現代民話考」(全12巻、筑摩書房)にまとめられている。97年に、童話雑誌「びわの実学校」を主宰していた坪田の遺志を継ぎ、同人誌「びわの実ノート」を創刊。同年、第20回巌谷小波文芸賞を受賞。2007年には初の自伝である「じょうちゃん」(朝日新聞社)を刊行した。15年2月28日、老衰のため死去。89歳。