ナディン・ゴーディマ。作家。
1923年11月、イギリス自治領南アフリカ連邦(現・南アフリカ共和国)生まれ。リトアニア系ユダヤ人移民の父とイギリス人の母の間に生まれた白人女性。9歳から創作活動を始め、15歳で文芸誌に作品が掲載された。11歳から学校には通わず、20歳の1年間だけ大学の聴講生となる。49年に25歳で短編集「顔と顔を合わせて」を刊行し、本格的な作家活動に入る。53年に初の長編小説「いつわりの日々」を発表。作品の多くが南アフリカの有色人種の差別隔離政策であるアパルトヘイトを批判するものだったため、当局からたびたび発禁処分を受けた。また、黒人解放運動の指導者であり、後に南アフリカ共和国大統領となったネルソン・マンデラとも交流があり、法廷で黒人活動家の弁護に立つなど、積極的に解放運動を支持した。74年に、「保護管理人」を発表。同作はイギリスで最も権威のある文学賞、ブッカー賞を受賞した。91年、アパルトヘイト下の複雑な社会を描き続けた功績が認められノーベル文学賞を受賞。代表作の「バーガーの娘」のほか、長編小説「異邦人たちの世界」、短編集「戦士の抱擁」「外で何かが」などの多数の作品がある。2014年7月13日、死去。90歳。