エイ・ロクスケ。放送作家、作詞家、タレント。
1933年4月10日、東京生まれ。本名、永孝雄。10代後半からNHKラジオ「日曜娯楽版」に投稿を始め、早稲田大学在学中に作詞・作曲家の三木鶏郎のもとで放送作家としての活動をスタートさせる。ラジオや草創期のテレビ番組づくりに携わり、61~66年までNHKの人気番組「夢であいましょう」の台本を担当する。作詞家としても活躍し、59年には水原弘が歌った「黒い花びら」で第1回日本レコード大賞を受賞。このほか、坂本九の「上を向いて歩こう」「見上げてごらん夜の星を」、梓みちよの「こんにちは赤ちゃん」など、作曲家の中村八大とのコンビで数多くのヒット曲を生み出す。坂本、中村とのトリオは3人の名前から「六八九トリオ」と呼ばれた。また、67年にスタートしたTBSラジオ「どこか遠くへ」以来、2016年6月27日に終了した同局「六輔七転八倒九十分」まで、ほぼ半世紀にわたりラジオパーソナリティーとしても親しまれた。1994年には、老いや死をめぐる語録を集め、独自の死生観を記した著書「大往生」(岩波書店)が200万部を超える大ベストセラーとなった。ほかにも、「芸人 その世界」(69年、文藝春秋)など多数の著書がある。2000年、第48回菊池寛賞受賞。尺貫法復権運動や各地の伝統芸能を応援する活動を行ったことでも知られている。10年にパーキンソン病と診断されてからも、精力的に活動を続けてきた。16年7月7日、肺炎のため死去。83歳。