人の道にそむいたけたはずれの悪い行い。「悪逆」は、人の道にはずれた行いをいい、「無道」は、道理・道徳にそむいた行いをいう。「あくぎゃくぶどう」とも読む。『平家物語(へいけものがたり)―三』に、「入道相国の体を見るに悪逆無道にして、ややもすれば君を悩まし奉る」という句が見られる。入道相国は平清盛のこと。
〔例〕「悪逆無道」は「悪逆」を強調したもので、「幼い子供を誘拐し殺してしまうとは、人間がすることとはとても思えない。このような悪逆無道なことが許されてよいわけがない」などと使う。
〔類〕悪逆非道(あくぎゃくひどう)/大逆無道(たいぎゃくむどう)/極悪非道(ごくあくひどう)/暴虐非道(ぼうぎゃくひどう)/極悪無道(ごくあくむどう)
――「大逆」は、ひどく悪い行いのこと。「極悪」は、きわめて悪いこと。「暴虐」は、荒々しい行いで人を苦しめしいたげること。