内股にはった膏薬が、左の股についたり右の股にはりついたりするということから、自分のはっきりとした意志や意見がなく、そのときどきによって、あっちについたりこっちについたりすること。または、そのような定見や節操のない人のことをいう。「うちまたこうやく」とも読む。
人物浄瑠璃の『鬼一法眼三略巻(きいちほうげんさんりゃくのまき)―三』に、「平家の禄を食む鬼一が、源氏に大事を伝へんは俗に言ふ内股膏薬、後方へも附き此方へも附く二心」とある。
〔例〕「人事部長の意向を触れ回っているかと思うと、組合の書記長にも都合のいい話をしている森田くんは、内股膏薬でとても信用できない」などと使う。
〔類〕股座膏薬(またぐらごうやく)/二股膏薬(ふたまたごうやく)