ひとけのないさびしい谷に響く足音。転じて、1人ぼっちでいるところに、思わぬ来訪者があったりしたときの喜びのたとえ。
『荘子(そうし)―徐無鬼』に、「夫逃二虚空一者、(略)聞二人足音跫然一、而喜矣」とある。
〔例〕孤独をかこっているときの不意の訪問者に喜びを伝える意味で、「アフリカにやってきて3年、孤軍奮闘のさなか、きみが訪ねてきてくれてたとえようもなくうれしい。空谷足音とは、まさにこのことだと思う」とか、「よく来てくれた。かぜを引いて寝込んでしまったため、この1週間だれとも会っていなかったんだ。空谷足音の思いがするよ」などと使ったりする。
〔類〕空谷跫音(くうこくのきょうおん)