本と末、先と後とが逆になること。重要なことと、どうでもよいこととの扱いが逆になっていること。大切なこととつまらないことの区別がつかずに取り違えていること。根本を忘れ、つまらないことにこだわっていること。古くは「本末顛倒」と書き表した。
〔例〕「金をもうけるために医学部に行くなんて、本末転倒もはなはだしい」といったり、また、注意や忠告をするときなどに、「大学に合格するためには、まず、よい予備校を選ばなければならないとか、静かな勉強部屋を与えなければならないという父母がいるようですが、本末転倒しています。勉強というのは、本人の心掛けがもっとも大切であることを忘れないでもらいたいと思います」というように使ったりする。
〔類〕冠履顛倒(かんりてんとう)
――「冠履」は、かんむりとくつの意味。