仏教の言葉。法華経で説かれている教義で、成仏の道は一乗以外になく二乗、三乗はないという意味。「一乗」の「一」は唯一絶対の真実、「乗」は乗り物のこと。転じて、他には、類がないこと。唯一無二であること。また、ひたむきに突き進むことをいう。「無二亦無三」を略したもの。「むにむざん」とも読む。
『法華義疏(ほっけぎしょ)―一・序品』に、「法華正言二無二無三一。会同帰レ一。此経直明二万善成仏一。不レ言二無二無三一」とあり、また、『甲陽軍鑑(こうようぐんかん)―品二三』に、「旗本許にて無二無三に一戦を遂げ」と記されている。
〔例〕「大学に合格したかったら無二無三、勉強するより他はない」などのように使う。
〔類〕遮二無二(しゃにむに)
――本来は和語の「しゃりむり」に、「遮二無二」と漢字を当てたもの。