「門前市(いち)を成(な)す」と読み下す。門前に車や馬がたくさんやってきて、市場のような活況を呈しているという意味で、名声や権力があって人の出入りの多いことをたとえていう。
『平家物語(へいけものがたり)―一』に、「軒騎群集して、門前市をなす」とあり、また、『本朝文粋(ほんちょうもんずい)―六』に、「堂上如レ華、門前成レ市」とある。
〔例〕「新製品を発売したら、門前成市(門前市を成す)のありさまだった」といったり、「大臣になったときは門前成市(門前市を成す)のありさまだったが、大臣をやめたら記者なんかもほとんど来なくなった」というように使ったりする。
〔対〕門前雀羅(もんぜんじゃくら)