ゼロ金利政策の影響の残る低金利の日本円で投資資金を調達し、それを外貨に換えて高い収益が期待できるものに投資する手法。主に海外のヘッジファンドによって行われ、円安の大きな原因となってきた。投資対象は、株式、債券、商品、不動産など非常に多岐にわたるが、とりわけ商品市場へと向けられ、原油や金などの商品相場が大きく押し上げられる結果となった。しかし、2007年8月に顕在化することになったアメリカのサブプライムモーゲージ(信用度の低い借り手向け住宅ローン、サブプライムローン)市場での債務不履行に対する懸念を受けて、投資家のリスク回避姿勢が強まり、円の対米ドル相場は上昇し、円キャリー取引の終焉と見られている。