無担保コール翌日物の金利であるコールレートに代表される、民間金融機関が短期資金の取引をするインターバンク市場での超短期金利をゼロに抑える政策。1999年2月の導入以来、2000年8月にいったん解除された後、01年3月から06年3月までの量的緩和政策の期間をはさみ、06年7月の0.25%への引き上げにより解除されるまで継続された。現在時点の超短期金利をゼロに設定するだけでなく、将来にわたるゼロ水準を約束することにより、金利のターム・ストラクチャー(金利の期間構造)に働きかけ、中長期の金利との間のイールド・カーブ(利回り曲線)を平準化する「時間軸効果」を狙った。当初は、デフレ懸念の払拭(ふっしょく)を目的に金融緩和を強力に推し進める役割をもっていたが、不良債権による銀行の経営破たんにともなって、金融システムに対する信頼が揺らぎ始めると、金融システム維持の手段と化した。同時に、長期金利である国債金利を低く抑える効果ももち、緊迫する日本政府の財政状況を支える「国債管理政策」の意味合いもあった。