経済環境の急激な悪化を受け、完全失業率(季節調整値)は2009年7月に5.7%と過去最悪を更新した。失業率を年齢別にみると、前回の景気後退期(00年12月~02年1月)までは「中高年のリストラ」が注目され、年齢のミスマッチにより失業が増加した。その後、中高年のリストラは減少し、若年層(15~34歳)のみが失業率の平均を押し上げる階層となっている。特に、新卒採用では10年3月卒業予定の大学生の内定率は09年12月時点で73.1%と、調査が始まった1996年以降最低。前年からの下げ幅も過去最大となるなど、若年世代の雇用環境は悪化している。また、同時期には正規雇用から非正規雇用へ雇用形態の変更も進み、2008年秋以降の景気の急激な悪化により、派遣形態の雇用者の解雇(派遣切り→「派遣社員」)が急増し社会問題にもなった。08年から09年にかけての年末年始には、東京の日比谷公園に派遣切りなどにあった人を支援する「年越し派遣村」が開設され、多くの人が集まった。09年から10年にかけての年末年始には、東京都による宿泊所提供と生活相談事業が行われ、「公設派遣村」と呼ばれた。