環太平洋経済連携協定(TPP)など自由貿易協定(FTA)を結ぶ国どうしが相手国企業の投資活動を守るために結ぶ条項。ある国の政府が外国企業に不利になるように法律や制度を変え、外国企業が損をした場合、世界銀行傘下の投資紛争解決国際センターなどの国際仲裁機関に賠償金を求めて訴えることができる仕組み。TPP参加交渉においては、過去にアメリカのたばこ会社フィリップ・モリスからISDS条項に基づき訴訟を起こされたオーストラリアが強硬に反対している。日本の場合、過去に結んだFTAに盛り込まれたISDS条項によって、外国企業から訴えられたことはない。しかし、TPPにおいては公的医療保険、食品の安全基準など、アメリカの製薬、食品会社にとって不都合な制度をめぐって、多国籍企業から訴えられる危険性も心配されている。