2015年9月に自由民主党総裁選挙で再選を果たした安倍晋三首相が掲げる、アベノミクス第2ステージのスローガン。なお、内閣府の英語表記では、外国人には「一億人」は分かりづらいとの判断から省かれている。15年10月の第三次安倍改造内閣発足に伴い、新たな政策方針として追加された。少子高齢化に対応して(1)希望を生み出す強い経済、(2)夢を紡ぐ子育て支援、(3)安心につながる社会保障を「新三本の矢」と位置づけ、具体的な数値目標として国内総生産(GDP)600兆円、希望出生率1.8、介護離職ゼロを実現することで、50年後も人口1億人を維持するとしている。政策実現のため、同月から一億総活躍国民会議を開設した。15年11月には一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策が示され、予算措置がとられた。15年度補正予算で約1.2兆円が組まれ、低所得の高齢者を対象として1人当たり3万円の「年金生活者等支援臨時福祉給付金」が導入された。こうした動きは、16年夏実施予定の参議院選挙対策のバラマキ政策ではとの批判もある。