小売りされる商品の価格は変わらないまま、その内容量を減少させること。実質値上げとなる。その形態がシュリンク(収縮)であることに因んで呼ばれるようになった造語。「隠れ値上げ」とも呼ばれている。企業は原材料費等の価格が上がってもなかなかそれを製品の価格に転嫁することが難しい。また、単身世帯の増加や人口の高齢化の進展により1世帯当たりの消費量が減っていることが背景にある。たとえば、キュウリ5本100円で販売されていたものを4本100円で売るようなもので、こうした販売行動はこれまでも見られていた。有名となったのは、アルプス山脈の山と谷を模したスイス製チョコレート(TOBLERONE)の事例である。イギリスにおいて2016年11月以降に販売された同製品が、山と山の間隔を広げて販売され、実質的にチョコレートの内容量を減らしたことで物議をかもした。日本においては、シュリンクフレーションは実質値上げであるものの、名目的な価格に変化がないため、価格の上方硬直性が強められ、デフレからの脱却を遅らせる要因になるとの見方もある。