アメリカ、日本、ドイツ、フランス、イギリス、カナダ、イタリア、ロシアの8カ国の財務相と中央銀行総裁による国際金融、通貨問題を協議する場。現在は通常年3回のペースで開かれている。当初は、カナダ、イタリア、ロシアを除いた5カ国で運営された。従来、国際金融問題に関しては国際通貨基金(IMF)のG10(GAB General Agreement to Borrow IMFの資金が不足したときに資金を提供する協定、参加11カ国)で協議していたが、1985年9月当時、過度なドル高の修正を望んでいたレーガン政権が、国際金融市場に対して一定の支配力をもつ5カ国(G5)に呼びかけ、各国の財務相、中央銀行総裁がニューヨークのプラザホテルでドル安誘導協調介入について協議。そこで成立したのがプラザ合意(Plaza Accord)である。86年からはカナダとイタリアを加えた7カ国となり、その後ロシアのサミット入りを契機に8カ国に拡大した。G8はIMFとは直接の関係はないが、実質的には世界の金融運営の方向をリードする影響力をもつ。ただし近年、アジア通貨危機、アルゼンチン通貨危機など、主要8カ国だけでは解決が困難な問題が勃発するようになり、新興国(エマージング・マーケット国)も交えたG20(20カ国財務相・中央銀行総裁会議、第1回会議は99年12月にベルリンで開催)が発足した。また近年、中国経済の台頭がめざましく、特に人民元レートの調整と中国金融政策の動向が世界経済の重要課題になっているため、2004年10月のG8以降、中国などを招待するケースも増え、G8の影響力が低下している。