欧州連合(EU)内の銀行の経営状況の把握および財務内容の是正措置などの銀行監督を、欧州中央銀行(ECB)がすべて行うこと。一元化が導入されれば、各国政府を経由せずに、悪化した銀行に直接、資本注入が可能となり、銀行の経営悪化を契機とした欧州債務危機の一段の悪化を防げると期待されている。従来、銀行監督はEU各国の当局が実施してきた。しかし、銀行の財務内容が悪化している場合、公的資金注入などの是正措置は当該国の財政状況を悪化させることにつながる。また、すでに財政状況が悪化している国で銀行の経営状況が悪化した場合には、是正措置が遅れ、金融システムの不安定化を引き起こすリスクが、欧州債務危機を通じて認識されていた。ただし、EU域内のすべての銀行を監督するのか、EUに加盟していない銀行の扱いをどうするかなどで、不透明な部分がある。