国の経済が中所得国のレベルで停滞し、高所得国に移行できない状況のこと。一般的に、1人当たりの国内総生産(GDP)でみて、中所得国は3000~1万ドルとされている。高所得国に移行できない要因としては、自国経済の発展により所得水準(つまり人件費)が上昇する一方、先進国に比べて技術力が向上できない場合、国際競争力を悪化させることになる点が挙げられる。この結果、経済発展のスピードが鈍化あるいは停滞する状況が生じるとされる。世界銀行のレポートでも、「歴史を振り返ると、低所得国から中所得国になることができた国は多いものの、高所得国の水準を達成できる国は比較的少ない」「高所得国となるには、規模の経済を実現し、専門的リーダーシップを取れるような分野により特化する」必要があると指摘されている。中国など新興国が高所得国へ移行できるかが注目されている。