2006年7月に閣議決定された「骨太の方針(第6弾)」で示された、中期的な財政再建計画。1997年に成立した財政構造改革法以来、10年ぶりの中期計画となる。財政構造改革法が財政収支の均衡を重視しすぎたために、景気の悪化に対応できなかった反省から、経済成長を土台として財政再建を図るものとなっている。しかも、景気が後退した場合には歳出削減策を見直すという弾力条項も設けられている。消費税の増税を極力抑えながらも、歳入を2兆円から5兆円上乗せする一方で、歳出を分野別に厳しく削減し、地方単独事業を5年間据え置くなどの取り組みによって、2011年度までに国と地方の基礎的財政収支を黒字化させることを目指している。その後も、10年代半ばまでに国の資産(05年度時点で707兆円)を140兆円圧縮するなどし、債務残高をGDP比で安定的に引き下げることに取り組むとしている。ただし、サブプライムローン問題に端を発する世界的な金融危機の影響により、09年1月に閣議決定された「経済財政の中長期方針と十年展望」では、黒字化は「困難になりつつある」とした。