日本政府が保有する約707兆円(2005年度)の資産を売却することによって、厳しい状況にある財政の健全化に役立てようという考え方。行政改革の一環としての「政府の資産・負債改革」として位置づけられている。05年12月に閣議決定された「行政改革の重要方針」の中で、(1)財政融資資金貸付残高の縮減、(2)国有財産の売却促進、(3)資産・債務における管理の見直しの推進、が決定し、これに基づき06年度予算において、約13兆8000億円の特別会計の積立金・剰余金が財政健全化のために用いられた。政府資産の圧縮に関しては、06年度以降も引き続き議論されている。例えば、自民党の財政改革研究会(会長、中川秀直政調会長[当時])は、06年3月に政府貸付金の証券化や公務員宿舎などの国有財産の売却によって総額112兆円以上の政府資産を圧縮させるという中間報告をまとめた。それらを踏まえて、同年7月に決定された「骨太の方針(第6弾)」では、国の資産707兆円を2015年度までに140兆円圧縮することとされた。