政府系金融機関の再編・民営化に関する改革。2007年時点で8機関あった政府系金融機関のうち、国民生活金融公庫、中小企業金融公庫、農林漁業金融公庫、沖縄振興開発金融公庫、そして国際協力銀行(JBIC)の国際金融部門は、07年6月成立の株式会社日本政策金融公庫法によって、08年10月設立の日本政策金融公庫に一元化され、15年までに完全民営化される。ただし、沖縄振興開発金融公庫に関しては、在日米軍再編問題(→「在日米軍再編促進特別措置法」)への影響を考慮して11年度までは現行のままで、それ以降に統合される。政府全額出資の株式会社として設立される日本政策金融公庫は、08年度中に貸付残高を対GDP比で半減させるとともに、効率性の向上を目指す。JBICの円借款部門は、国際協力機構(JICA)と統合され、政府開発援助(ODA)の新たな実施機関となった。公営企業金融公庫は08年10月に廃止され、地方自治体が共同出資で設立する地方公共団体公営企業金融機構が後継組織となる。商工組合中央金庫と日本政策投資銀行は民営化され、5~7年後をめどとした政府株の売却(完全民営化)を予定する。この改革で、政策の機動性の向上や実効性の確保を図り、危機に対する対応体制を整備する。