2009年6月23日の臨時閣議で、麻生太郎内閣(当時)が閣議決定した「経済財政改革の基本方針2009」のこと。世界同時不況の下、経済危機の状況を反映し、安心・活力・責任の3目標の達成を目指すとした。ただし、具体的な成長戦略は示されず、06年策定の「骨太の方針(第6弾)」で目標とされた基礎的財政収支の11年度までの黒字化は、19年度まで先送りされるなど、行財政改革については後退した内容になった。特に、「骨太の方針(第6弾)」で定めた社会保障費の抑制は撤回され、10年度予算では自然増1兆円を全額認めるという方針が示された。この結果、歳出抑制を実現するための道筋を明らかにしてきた「骨太の方針」の役割は大きく転換することになった。09年8月実施の衆議院議員総選挙による政権交代で9月16日に誕生した鳩山由紀夫内閣(当時)は、予算編成の主導権を首相直属の国家戦略局に移し、首相の諮問機関として「骨太の方針」の策定を主導してきた経済財政諮問会議は廃止された。その結果、今後「骨太の方針」は作成されないことになった。